武道家でドラマーの親、息子は和太鼓奏者。 親は息子がその道へ行くとは思っていなかった。そんなすれ違いは当たり前

何もかも出来なかったが… 一輝

算数もダメ、国語もダメ、多分理科も社会もダメだった気がしますが、ちょっと覚えてません。

 

家では、相変わらず公文やそろばん、夜は国語の時間でしたが、果たしてどうだったのか…(笑)

 

 

しかし、5年生くらいに父が楽しい遊びを作ってくれました。

 

それは「暗記術!」

 

短冊ほどの大きさに、例えば1〜10までの数字を適当に書き、それを木の枠に入れて蓋をします。

 

書いた本人が、バッ!と蓋を開けて約5秒ほどしたら蓋をします。

書いた本人以外の人は、その間に覚えて、全く同じように同じ紙に書きます。

文字の配置、大きさ、形、全てです。

 

これが僕は楽しかったんです。

最初は数字でしたが、ひらがなやカタカナ、漢字まで入れたりします。

数も5〜6個から10個まで。

大きさもランダムにします。

 

最初は全然ダメでしたが、何となく覚え方というかコツを掴み、時には全問正解の時も!

だから、夜のこの時間は僕にとって一番楽しい時間になってました。

 

僕の覚え方は、完全コピーです。

一つ一つの文字を認識→確認していたら、それを覚えて確かめている間に蓋が閉まります。

最初は分からないからこのやり方でやりましたが、これだとせいぜい3〜4個でした。

で、やり方を変えたんです。

完全コピーは、ボーッと全体を見ます。

ボーッとしながら、その景色を目の中に写します。

蓋が閉じると、まだ目の前にそれが残ってて、それを書くだけ。

だから、それが何の文字かは書くまで自分では分かってません。

だからしばらくは、フニャフニャの文字だったり、なんの字か分からない字を書いたりしてました(笑)

しかし回数を重ねるごとに、何となく見えるようになってきて、数ヶ月後にはすべての文字をコピーしながら、蓋が開いているのに目を閉じて確認し、再び目を開けて再コピー出来るほど余裕が出るまでになりました。

 

 

これが活かされたと感じたのは、それから10数年後。

僕が太鼓をやり始めた時や、一気で色々曲をやってる時、教室で教えてる時に「あー多分あの時のおかげかな」と思う事が多々あるんです。

 

例えば楽譜。

太鼓演奏では完全暗譜なのですが、これが一番早かった。誰よりも早かったんです。

覚えてしまえば、あとは完成度を上げるだけ。

みんなが四苦八苦して覚えてるあいだに、僕は次の曲に進んだりしてました。

しかも、ただ覚えるだけではありません。

ノートの端っこに走り書きしたものも全て記憶してます。どこに書いているのかもです。

だから、「あの時言うたやん!ノートの右の上見てみ?」と指示する事も。

 

あとは武道。

父から習っていたのですが、型があったり組み手があったりするのですが、これも覚えるのが早かった。

動きを父がやります。

同じくボーッと全体を見ます。細かいところはどーでも良くて、何の動きなのか、どう動いてるのかだけコピーします。

で、実践。

何となく合ってるんです(笑)

もちろん合ってると出来るのは別ですが、たまに一度で全部覚えたりしたときもあったので、後から思うと「あの時の暗記術かな」と。

 

41歳になっても衰えてません。むしろ20代の頃より速い。

よく「歳やから覚えるのが遅いわー」とか「若い子には負けるわー」とか聞きますが、それは歳のせいではなく、使っていないから衰えてるだけ。

 

 

次回は、この暗記術と同時期にやらされた「速読術」について書きます。